毒親から逃げる方法④|カバンひとつで家を出た日

逃げ方の実務情報

弁護士に相談して、お金を準備して、警察と市役所の手続きも終えた。

あとは、出るだけ。

でも、それが一番怖かった。

何度も、頭の中でシミュレーションしていた

「今日が、その日かもしれない」

そう思いながら、ずっと過ごしていました。

いつでも逃げられるように。

どこから出るか、どの順番で動くか、何を持ち出すか。

何度も何度も、頭の中でシミュレーションを繰り返していました。

準備が整っているのはわかっていた。

でも、実際に動くには、もう一段階のなにかが必要でした。

持ち出したのは、たった3つだった

「逃げるとき、何を持っていけばいい?」

そう悩む人もいると思います。

私が持ち出したのは、これだけでした。

  • 自分名義の家の権利書
  • 銀行のカードと通帳
  • 財布

服も、思い出の品も、携帯電話も、置いていきました。

大荷物だと目立つ。

携帯は、居場所を追跡される可能性があった。

何も持たずに出ることが、一番安全だと判断しました。

置手紙を書いていった

家を出る前に、継母に向けて手紙を書きました。

内容は2つです。

今まで自分がされてきたこと。
そのとき、自分がどんな気持ちだったか。

感情をぶつけたくて書いたわけじゃない。

「自分の意志で出ていった」ということを、証明するために書きました。

失踪だと言われないように。
誰かに連れ去られたと言われないように。

弁護士さんから「意思表示として残しておいた方がいい」と聞いていたので、実行しました。

継母との30年間のことを、冷静に振り返りながら文字に書き起こしていったら。

なぜか、心が軽くなっていきました。

頭の中でずっとぐるぐるしていたものが、外に出た感じ。

泣くかと思っていたけれど、涙は出なかった。

もう、決めていたから。

朝、家を出た

出たのは、朝でした。

その日は、たまたまごみ出しの日でした。

ごみ袋を持って玄関を出る。

それだけで、誰も不思議に思わない。

シミュレーションをずっとしていたから、こういう「普通の朝」を逃さず使えた気がします。

玄関を出て、ごみを出して、そのまま振り返りませんでした。

ドアを開ける直前。

頭の中に、ひとつの言葉が浮かびました。

「今家を出ないと、私は殺されると思った」

大げさに聞こえるかもしれない。

でも、そのときの私にとっては本当のことでした。

あの場所にいたら、いつかこわれてしまう。

それがわかっていたから、出ました。

振り返って思うこと

あの日のことを、今でも鮮明に覚えています。

ドアを閉めた音。

外の空気の感じ。

なんだか、ずっとずっと重かったものが、少しだけ軽くなった感覚。

逃げることは、裏切りじゃない。

自分の命を守ることだと、今は思っています。


次の記事では、逃げたあとの話を書きます。

新しい家で迎えた最初の夜。
「自由になれた」と思う一方で、そこには想像していなかった感情もありました。

→⑤「毒親から逃げる方法⑤|逃げた後、自由はすぐには来なかった」に続きます。

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